西漢演義第56回 漢王は兵を収め滎陽に入る (漢王收兵入滎陽)

夏侯嬰との再会

林から現れた一隊は夏侯嬰であった。夏侯嬰は彭城陥落の際に太子・魯元公主を救い出し、漢王と合流する。漢王は太公・呂后の身を案じて嘆くが、夏侯嬰は「太子こそ天下の根本」と諭す。

滎陽での立て直し

汴河のほとりで、韓信の旗を掲げた張良・陳平の軍三万と合流する。漢王は魏豹の無謀を悔い、張良の勧めで滎陽へ退き、韓信を再び元帥に立てて雪辱を期すことにする。滎陽で韓日休の出迎えを受け、樊噲・周勃・王陵らも続々と合流する。魏豹は恐れて平陽へ逃げる。

楚陣営の動き

丁公・雍歯は漢王を逃した旨を報告。范増は韓信の力量への警戒を説くが、霸王は取り合わない。司馬欣・董翳は太公・呂后を連行し霸王に降るが、勝敗を日和見していた不忠を責められ処刑される。太公・呂后は虞子期の管理下に置かれる。范増の進言で二人は人質として生かされる。

斉王田横は楚に降り、彭越は大梁に拠って漢と結ぶ。楚は龍且に梁攻めを命じるが落とせない。英布は太公・呂后奪還戦の失敗を霸王に叱責され、楚との間に隙が生じる。

隨何、英布説得へ

滎陽で軍を立て直した漢王は、韓信を再登用する際の面子を張良に相談。張良は「韓信・英布・彭越の三人を得れば楚は必ず敗れる」と説き、英布説得の使者に隨何を推挙、漢王はこれを承諾する。

隨何と費赫の駆け引き

隨何が九江に赴くと、英布は謀士費赫の勧めで仮病を使い会おうとしない。隨何は先に費赫を訪ね、言葉巧みに「英布が賢士を退けているとの評判が立てば天下の人心を失う」と説き、費赫を懐柔する。

英布との対話

翌日、英布は隨何と面会する。隨何は「項羽が義帝弑逆の罪をひそかに英布になすりつけ、諸侯の恨みを英布に向けさせている」と説き、英布を激怒させる。さらに「漢に与すればこの汚名を雪げる。楚の情勢は不利、漢は堅守して有利」と説き、英布の心は漢へ傾く。

そこへ楚からの使者が到着し、霸王の詔書が届く。詔書は英布を睢水の戦いでの日和見等を咎め、即座の出兵を命じるものであった。隨何は英布の前で使者に「英布はすでに漢に帰順した」と告げ、使者が去ろうとするのを制して「詔書には英布に殺意ある含意がある」と指摘する。英布は激怒して剣で楚の使者を斬り、詔書を破り捨て、隨何とともに漢に帰順することを決する。