西漢演義第三十七回 韓信は治粟都尉となる (韓信為治粟都尉)

蕭何・滕公の推挙と漢王の躊躇

  • 蕭何と滕公は招賢館で得た韓信を破楚元帥にふさわしいと漢王に推挙するが、漢王は韓信の貧しかった過去(股くぐりの恥、漂母への乞食)を挙げ、これを将とすれば三軍が服さず項羽の物笑いになると渋る。蕭何は伊尹・太公望らも卑賤の出だったと説き、強く推す。漢王は渋々召見を許す。

軽い任用と算術の妙

  • 韓信は漢王に軽く倉庫係(連廒官)を命じられるが不満を見せず引き受ける。倉庫の米量を一分の狂いもなく算出し、老吏や蕭何を驚かせる。韓信は算法の理を説き、蕭何を感嘆させる。

治粟都尉への昇進

  • 蕭何は漢王に韓信の非凡さを重ねて説くが、漢王は「一芸に過ぎぬ」として治粟都尉への小さな昇進に留める。韓信は着任後、倉庫の不正を一掃し、公正な出納で民の信頼を得て、わずか一月で倉が充実する。民は蕭何に韓信の留任を願い出るほどだった。

蕭何、重ねて大任を説くも漢王動かず

  • 漢王は望郷の悩みを漏らし、蕭何は斉の晏子の故事(賢者を知りながら重用せぬ不祥)を引いて韓信の重用を勧めるが、漢王は実績なき者にいきなり大任を与える危うさを説き、張良の推挙を待ってから判断するとして先送りする。

韓信の出奔(偽装)

  • 蕭何が韓信に用兵の要諦を尋ねると、韓信は機に応じ変化する兵法の妙は言葉で説けぬとかわす。数日進展がないのを見た韓信は、漢王・蕭何の本気度を試すため、あえて出奔を装い、東門から単騎で立ち去る。これを知った蕭何が驚愕するところで終わる。