三十六計走為上策

  • 要旨: 敵の勢力が圧倒的で戦えない場合、降伏・和睦・撤退の三つの選択肢のうち、撤退こそが最も損失が少なく、後の勝機を残す最善の策であるという計略。

計の要点

  • 「全師避敵」として、軍を全うして敵を避けることを説く。

按語の補足

  • 敵の勢いが圧倒的でこちらが戦えない場合、降伏すれば完全な敗北、和睦すれば半分の敗北、撤退すれば敗北とはならないとし、敗北しないことこそ勝機に転じる道であるとする。
  • 南宋の畢再遇が金軍と対峙した際、金の援軍が日々増えて戦うのが困難と見て、ある夜に陣を引き払いつつ旗を残し、生きた羊を吊るして前脚を太鼓の上に乗せ、羊がもがくたびに太鼓が鳴るように仕掛けた。金軍は数日間これに気づかず、気づいた頃には既に南宋軍は遠くまで撤退していたという(南宋、13世紀初頭)。これを「善く走る者」の典型例とする。