三十六計調虎離山

  • 要旨: 地の利を得て構える強敵を無理に攻めず、天の時(自然条件)で困らせ、人為の誘いでおびき出すべきだという計略。

計の要点

  • 「待天以困之、用人以誘之」として、自然の困難を利用して敵を疲弊させ、人為の誘導によっておびき出すべきだとする。

按語の補足

  • 「下策は城を攻めることだ」という兵書の言葉を引き、堅城を無理に攻めれば自ら敗亡を招くとする。敵が既に地の利を得て大勢力を擁している場合、その地を無理に争ってはならないとする。
  • 後漢末、羌族数千が虞詡を陳倉の峡谷で阻んだ際、虞詡は進軍を止め、援軍を要請する上奏をしたと偽って敵を油断させ、羌族が兵を分散させた隙に日夜強行軍で百余里を進み、かまどの数を日ごとに倍増させて見せかけの兵力増強を演出し、羌族を大破したという(後漢、2世紀初頭)。
  • 援軍が来るまで動かないと見せたのは利で誘う策であり、日夜強行軍したのは天の時を利用して敵を困らせる策であり、かまどを倍増させたのは人為で敵を惑わす策であったとする。