三國演義第九十六回 孔明は涙を揮って馬謖を斬り、周魴は髪を断ちて曹休を欺く (孔明揮淚斬馬謖 周魴斷髮賺曹休)
魏、持久策を選ぶ
- 尚書孫資は蜀を無理に攻めず険要を守って国力を養い、呉蜀の共倒れを待つ策を献じ、曹叡・司馬懿もこれを容れて撤兵する。
趙雲の無傷の撤退と孔明の称賛
- 孔明は漢中に戻り、趙雲・鄧芝のみが一兵も損なわず帰還したことを知って感嘆し、褒賞を与えようとするが、趙雲は功なき将兵への賞与を辞退し、謙虚な人柄を示す。
馬謖処断
- 王平は自分が繰り返し諫めたが聞き入れられなかった経緯を報告。
- 孔明は馬謖を軍律に基づき処刑することを決意。馬謖は自らの過ちを認めて涙し、家族への配慮を孔明に託して刑に服す。
- 参軍蔣琬の助命嘆願にも孔明は法の厳正を理由に応じず、処刑後は先帝劉備の遺言(「馬謖は言葉先行で大用すべきでない」)を思い出し、自らの不明を恥じて号泣する。
- 馬謖の遺族は手厚く扶養され、孔明は自ら上表して丞相位を三等下げるよう願い出る。後主は費禕の進言を容れ、孔明を右将軍・行丞相事に降格する。
- 孔明は費禕との対話で、敗戦の責任は将の多寡でなく統率にあるとし、今後の軍制引き締めを誓う。漢中で兵を休め民を慈しみ、攻城兵器や船筏を整えて次の機会に備える。
魏、陳倉に備える
- 司馬懿は蜀の次の侵攻が「暗渡陳倉」の再現になると予測し、郝昭を陳倉道口の守将に推挙、曹叡もこれを容れる。
曹休の呉侵攻と周魴の偽装降伏
- 呉の鄱陽太守周魴が偽って魏への内応を申し出て曹休を誘い込む策を画策。魏は曹休・賈逵・司馬懿の三方から呉を攻めることとなる。
- 呉は陸遜を大都督とし、朱桓・全琮を左右都督に、三路で迎撃態勢を敷く。
周魴の芝居
- 曹休が周魴の内応の真偽を疑うと、周魴は自刃の芝居や断髪の誓いで忠誠を演じ、曹休を信じ込ませる。
- 建威将軍賈逵は周魴の内応を疑い出兵の慎重論を説くが、曹休は不快に思い賈逵の兵権を奪う。
石亭の戦い
- 曹休は石亭に進軍するが、周魴は姿を消し、待ち構えていた呉軍(徐盛ら)に阻まれる。
- 曹休は伏兵策を試みるも、陸遜・朱桓・全琮による三方からの奇襲で大敗。夾石道で危うく討たれかけるが、兵権を奪われていた賈逵の援護により辛くも脱出する。
- 司馬懿も曹休敗北の報を受けて撤兵。
呉の勝利と孔明への出兵要請
- 陸遜は大勝して凱旋し、孫権は周魴らを厚く賞す。
- 陸遜は魏の消耗に乗じて蜀にも進軍を促す使者を送るよう進言し、孫権はこれを容れて蜀へ国書を送る。