三國演義第七十回 猛き張飛は智をもって瓦口隘を取り、老黄忠は計をもって天蕩山を奪う (猛張飛智取瓦口隘   老黃忠計奪天蕩山)

張郃の敗走

  • 張郃は宕渠・蒙頭・蕩石の三寨に分かれて布陣するが、張飛と雷銅の挟撃で大敗し、宕渠山に籠って持久戦に持ち込む。

張飲飲酒の計と張郃寨奪取

  • 張飛は五十日にわたり山前で連日酒を飲み罵倒を続ける。玄德は心配するが、孔明は「これは張郃を誘い出す計」と見抜き、酒を送りつつ魏延を後詰めにつける。
  • 張郃は張飛の油断を見て夜襲を仕掛けるが、実は身代わりの藁人形で、伏兵の張飛・魏延・雷銅に三寨とも奪われて瓦口関へ敗走する。

瓦口関での攻防

  • 曹洪に援軍を拒まれた張郃は伏兵の計で雷銅を討ち取るが、張飛は逆にその計を利用し、魏延の伏兵と火計で張郃を大敗させる。
  • 張飛は道に迷った漢中の民から間道の情報を得て、間道から瓦口関の背後を突き、張郃はわずかな供回りだけで敗走する。

張郃の処罰保留と葭萌関攻撃

  • 曹洪は敗軍の張郃を斬ろうとするが、郭淮の諫めで再起の機会を与え、葭萌関攻撃を命じる。守将の孟達は敗れ、霍峻が急を成都へ報告する。

黄忠の起用

  • 孔明は張飛の派遣は難しいとして、あえて黄忠の実力を疑ってみせて奮起を誘い、老将嚴顏と共に出陣させる。趙雲の懸念にも孔明は「漢中はこの二老将の手で取れる」と応じる。
  • 黄忠は張郃を挑発して撃破し、嚴顏の伏兵と挟撃して大勝する。

天蕩山攻略

  • 黄忠は天蕩山(曹操軍の兵糧集積地)攻略を狙う。夏侯尚・韓浩の援軍相手にわざと連敗を装って油断を誘う(劉封も欺かれるほどの徹底ぶり)。
  • 夜襲で三寨を一気に奪還し、勢いに乗って天蕩山へ迫る。夏侯徳との対陣で、嚴顏の伏兵による放火と奇襲で韓浩・夏侯徳を討ち取り、天蕩山を制圧する。張郃・夏侯尚は定軍山の夏侯淵の元へ逃れる。

漢中攻略への機運

  • 法正は曹操が漢中平定後に益州を攻めなかったことを「失策」と指摘し、この機に乗じて漢中を取るべきと進言。劉備・孔明はこれに同意し、大軍を発する。
  • 黄忠はさらに定軍山攻略を志願するが、孔明は夏侯淵の将才を評して慎重を促し、監軍を付けようとする。