梁書卷四十七 列傳第四十一 甄恬

甄恬

  • 字は彦約、中山無極の人(世は江陵に居住)。祖父の欽之は長寧令、父の摽之は州従事。数歳で父を喪い成人のように哀慟し、家人が哀れんで肉汁を混ぜた飯を与えても食さなかった。8歳のとき父の顔を知らぬことを悲しみ泣き続けたところ、幻に父の姿を見たという。
  • 貧しくとも母には常に珍味を供し、喪に服す間は廬の樹に元黄の鳥や白雀が集まり、恬が哭すればともに鳴いたと伝わる。州将の始興王憺がその行状を上奏し、詔で表彰と加爵を受けた。官は安南行參軍に至った。