梁書卷三十九 列𫝊第三十三 元樹

経歴

  • 元樹、字は君立。魏の皇族の近親で、祖は献文帝、父は咸陽王僖。魏に仕えて宗正卿となったが、爾朱栄の乱に遭い、天監八年(509年)梁に帰順して鄴王(邑二千戸)に封じられ、散騎常侍を拝した。
  • 普通六年(525年)元法僧を迎え入れる任にあたり、使持節督郢司霍三州諸軍事・雲麾将軍・郢州刺史に遷り、封邑は合わせて三千戸に増え、南蛮の賊を討って平らげ、散騎常侍・安西将軍を加えられ、さらに邑五百戸を増した。
  • 中大通二年(530年)侍中・鎮右将軍に召され、四年(532年)使持節・鎮北将軍・都督北討諸軍事として鼓吹一部を加えられ、魏を討って譙城を攻め落とした。ところが魏の将独孤如願が援軍に来て樹を包囲し、城が陥落して捕らえられ、魏で憤死した。享年四十八。
  • 子の貞は大同年間(535〜546年)魏の使者崔長謙に随って鄴に赴き父を葬って帰り、太子舎人を拝した。太清初(547年)侯景が降ると、元氏の一族を盟主として奉じたいという願いにより、詔で貞を咸陽王に封じ、天子の礼をもって北へ送り返したが、侯景の敗北に会って引き返した。