列女傳卷四 息君夫人

楚に破れた息の君の夫人

  • 夫人は、息の君の夫人である。楚が息を攻めてこれを破り、息の君を虜にして門番とした。楚は夫人を妻にしようとして宮中に納れた。楚王が外出した隙に、夫人は息の君に会いに行き「人は一度死ぬのみです。どうしてそこまで苦しむ必要がありましょう。私は片時もあなたを忘れたことはなく、この身を二度と他の男に許すことはありません。生きて地上で離れているより、死んで地下で共にあるほうがましです」と告げた。

夫と同日に自殺する

  • 夫人は詩を作り「穀を得る間は別の室にいても、死ねば同じ穴に入る。私を信じないと言うなら、日輪にかけて誓おう」と詠んだ。息の君は止めたが夫人は聞き入れず自殺し、息の君もまた自殺して、同じ日に共に死んだ。
  • 楚王は夫人が節を守り義を貫いたことを賢とし、諸侯の礼をもって二人を合葬した。君子は夫人が善行を貫いたことを喜び、これを詩に取り上げて伝えた。義は君子を動かし、利は小人を動かすというが、息君夫人は利によって動かされることがなかった。

史論

  • 頌に曰く、楚が息の君を虜にし、その妃を後宮に納れようとしたが、夫人は志を固く守り、久しくとも衰えなかった。「同穴」の詩を作り、旧きを思い新しきを拒み、ついに死をもって節を守り、貞節の列に加えられた、という。