列女傳卷四 衛寡夫人

夫の死後も嫁ぎ先を離れず喪に服す

  • 夫人は斉侯の娘である。衛に嫁ぐため城門に至ったとき、衛の君が亡くなった。保母は「引き返してもよいでしょう」と言ったが、夫人は聞き入れず衛に入り、三年の喪に服した。
  • 喪が明けると、跡を継いだ弟が「衛は小国であり、二つの厨を持つ余裕はありません。どうか厨を同じくさせてください」と求めたが、夫人は「夫婦だけが厨を同じくするものです」と言って最後まで応じなかった。

再嫁の求めを詩で拒む

  • 衛の君は人を遣わして斉の兄弟に訴え、斉の兄弟はみな夫人を後の君に嫁がせようとして人を遣わし夫人に告げたが、夫人は最後まで従わず、詩を作って「私の心は石ではない、転がすことはできない。私の心は筵ではない、巻くことはできない」と詠んだ。
  • 苦しみに屈せず、辱めにも節を曲げなかったからこそ、自らその意志を貫くことができた。それでこそ困難を乗り越えられるのである。詩に「威儀は堂々として、揺るがすことはできない」とあるのは、左右に賢臣がおらず、皆が主君の意のままに従うことを言ったものである。君子はその貞節を美とし、詩に取り上げて後世に伝えた。

史論

  • 頌に曰く、斉の娘が衛に嫁ごうとしたとき、城門に至って公が薨じ、遂に入って三年の喪に服した。後の君が厨を同じくしようとしても娘は最後まで応じず、詩を作って諷刺し、最後まで亡き夫への義を守り通した、という。