明史卷一百四十二 列傳第三十 王省
王省
- 王省は字を子職、吉水の人。洪武五年(1372年)に郷挙で選ばれ、京に至ると詔で會試を免じられ、吏部に官を授けるよう命じられた。省は親が老いていると言って郷里に帰り養うことを願い出た。
- まもなく文学の才で徴され、太祖が自ら試して意にかない、特別の抜擢を受けるところだったが、才が薄く親が老いているとして便宜の地での養親を願い、浮梁教諭に任じられた。三度教官を務め、最後に濟陽を得た。
- 燕兵が至り、遊撃の兵に捕らえられたが、落ち着いて譬えを引いて説き、言葉も志も激しかったので、皆は省を放して帰らせた。
- 省は明倫堂に座り、太鼓を打って諸生を集め、「お前たちはこの堂の名の意味を知っているか。今日の君臣の義はどうなっているか」と言い、大声で泣いた。諸生も泣いた。省は頭を柱に打ちつけて死んだ。
- 娘の静は即墨主簿の周岐鳯に嫁いでいたが、燕兵が濟陽に至ったと聞いて父は必ず死ぬと察し、三度人を遣わして訪ねさせ、遺骸を得て持ち帰って葬った。