明史卷三十六 志第十二 厯六
この巻の位置づけ
- 大統厯法三下(推步)にあたる部分で、交食(日食・月食)の推算、五星の推歩、四餘(紫氣・月孛・羅㬋・計都)の推歩の三段からなる。
步交食――基本の定数
- 交周日は二十七日二十一刻二二二四。これを半分にしたものを交中日とする。
- 交終度は三百六十三度七九三四一九六。これを半分にしたものを交中度とする。
- 正交度は三百五十七度六四。
- 中交度は一百八十八度○五。
- 前準は一百六十六度三九六八。
- 後準は一十五度五。
- 交差は二日三一八三六九。
- 交望は一十四日七六五二九六五。
- 日食の陽厯限は六度、定法は六十。
- 日食の陰厯限は八度、定法は八十。
- 月食限は十三度五分、定法は八十七。
步交食――食限の判定
- 陽食限(定朔の入交を見る)。○日六○以下、および一十三日一○以上は食限に入る。一十四日にあたる場合は小餘を問わずすべて食限に入る。
- 同じく、一十五日二○以下、および二十五日六○以上は食限に入る。二十六日・二十七日にあたる場合は小餘を問わずすべて食限に入る。
- 陰食限(定望の入交を見る)。一日二○以下、および一十二日四○以上は食限に入る。○日・一十三日にあたる場合は小餘を問わずすべて食限に入る。
- 同じく、一十四日八○以下、および二十六日○五以上は食限に入る。二十七日にあたる場合は小餘を問わずすべて食限に入る。
- ただし定朔の小餘が日出前・日入後の二十分以上にあたるときは日食が夜に起こることになり、定望の小餘が日入前・日出後の八刻二十分以上にあたるときは月食が昼に起こることになるので、いずれも計算するには及ばない。
步交食――日食に用いる数値
- 用いる項目は次のとおり。經朔・盈縮厯・盈縮差・遲疾厯・遲疾差・加減差・定朔・入交汎分(以上はすべてそのまま書き写して用いる)。
- 定入遲疾厯。加減差を遲疾厯に加減して得る。
- 遲疾定限。定入遲疾厯に日轉限一十二限二十分を乗じて求める。小餘は用いない。
- 定限行度。定限によって立成表の行度を取り、遲のときは遲、疾のときは疾の欄を用い、そこから日行分八分二十秒を減じて得る。
- 日出分。盈縮厯によって立成表から取る。以下の項目も同じ。
- 日入分。
- 半晝分。立成表の昏分から五千二百五十分を減じて得る。
- 嵗前冬至加時黄道宿次。
步交食――日食の推算手順
- 交常度を求める。食のある朔の入交汎分に月平行度を乗じれば得られる。
- 交定度を求める。交常度に、その朔の盈縮差を、盈なら加え縮なら減じて得る。
- 日食の正交・中交の限度を判定する。交定度が七度以下または三百四十二度以上であれば食は正交にあり、一百七十五度以上二百○二度以下であれば食は中交にある。この範囲に入らなければ食は起こらない。
- 中前分・中後分を求める。定朔の小餘が半日周以下なら半日周から引き、その余りを中前分とする。半日周以上なら半日周を引き去り、その余りを中後分とする。
- 時差を求める。半日周から中前分または中後分を減じ、その余りに中前分または中後分を乗じ、得た数を九千六百で割ったものが時差である。中前にあるときは減、中後にあるときは加とする。
- 食甚定分を求める。定朔の小餘に時差を加減して得る。
- 距午定分を求める。中前分または中後分に時差を加えて得る(ここは加えるだけで、減じることはしない)。
- 食甚の入盈縮厯を求める。もとの盈縮厯に、定朔の大餘と食甚定分とを加えて得る。
- 食甚の盈縮差を求める。步氣朔の法によって求める。
- 食甚の入盈縮厯行定度を求める。食甚の入盈縮厯に盈縮差を、盈なら加え縮なら減じて得る。
- 南北汎差を求める。食甚の入盈縮厯行定度が周天象限以下ならそれを初限とし、以上なら半嵗周と引き合わせた残りを末限とする。初限または末限を自乗し、一千八百七十度で割った数を、四度四十六分から減じた余りが南北汎差である。
- 南北定差を求める。南北汎差に距午定分を乗じ、半晝分で割り、それを汎差から減じた余りが南北定差である。もし汎差の数のほうが少なければ逆に引く。盈の初・縮の末では、食が正交にあれば減、中交にあれば加とする。縮の初・盈の末では、正交にあれば加、中交にあれば減とする。汎差を逆に引いて得た場合は、この加減を逆にする。
- 東西汎差を求める。半嵗周から食甚の入盈縮厯行定度を引き去り、その余りに食甚の入盈縮厯行定度を乗じ、一千八百七十で割って度としたものが東西汎差である。
- 東西定差を求める。東西汎差に距午定分を乗じ、二千五百度で割る。得た数が東西汎差以下ならそれをそのまま東西定差とする。汎差以上であれば、汎差を倍したものから引き、その余りを定差とする。盈厯の中前・縮厯の中後にあたるものは、正交なら減、中交なら加。盈厯の中後・縮厯の中前にあたるものは、正交なら加、中交なら減とする。
- 正交定限度・中交定限度を求める。日食が正交にあるものは正交度を、中交にあるものは中交度を置き、南北・東西の二つの定差を加減して得る。
- 日食の入陰陽厯と去交前度・交後度を求める。交定度が正交定限度以下なら、そこから交定度を減じた余りを陰厯の交前度とする。以上なら正交定限度を減じた余りを陽厯の交後度とする。交定度が中交定限度以下なら、そこから交定度を減じた余りを陽厯の交前度とし、以上なら中交定限度を減じた余りを陰厯の交後度とする。もし交定度が七度以下であれば、交終度を加えてから正交定限度を引き去り、その余りを陽厯の交後度とする。
- 日食の分秒を求める。陽厯にあるものは、陽食限六度から陽厯の交前度・交後度を減じ(引けない場合は食にならない。陰厯も同じ)、その余りを定法六十で割る。陰厯にあるものは、陰食限八度から陰厯の交前度・交後度を減じ、その余りを定法八十で割れば得られる。
- 定用分を求める。日食の分秒と二十分とを引き合わせ、その両者を乗じたものを開方積とし、平方の法で開いて開方数とする。これに五千七百四十分(八百二十分を七倍した数である)を乗じ、定限行度で割れば得られる。
- 初虧・復圓の時刻を求める。食甚定分から定用分を減じたものが初虧、加えたものが復圓であり、それぞれ發斂加時の法によって時刻に直す。
- 日食の起復方位を求める。陽厯であれば西南に欠け始め、正南で最大となり、東南で復する。陰厯であれば西北に欠け始め、正北で最大となり、東北で復する。もし食が八分以上であれば、陰厯・陽厯の別なくいずれも正西に欠け始め正東で復する(午の地を基準にしての話である)。
- 食甚の日躔黄道宿次を求める。食甚の入盈縮歴行定度が盈にあるときはそのまま定積度とし、縮にあるときは半嵗周を加えて定積度とする。その定積度に嵗前冬至加時の黄道日度を加え、黄道積度鈐で引き去り、引けなくなったところの宿次が食甚の日躔である。
- 日の帶食を求める。初虧・食甚の分が日出分以下にあれば晨刻の帶食、食甚・復圓の分が日入分以上にあれば昏刻の帶食である。晨のときは日出分を、昏のときは日入分を置き、いずれも日甚分と引き合わせた余りを帶食差とする。帶食差に日食の分秒を乗じ、定用分で割り、得た数を日食の分秒から減じた余りが、見えるところの帶食分秒である。
步交食――月食に用いる数値
- 用いる項目は次のとおり。經望・盈縮厯・盈縮差・遲疾厯・遲疾差・加減差・定望・入交汎分・定入遲疾厯・定限・定限行度・晨分・日出分・昏分・日入分・限數・嵗前冬至加時黄道宿次。
步交食――月食の推算手順
- 交常度を求める。望の入交汎分に月平行を乗じる。日食の法と同じ。
- 交定度を求める。交常度に、望の盈縮差を、盈なら加え縮なら減じて得る。引けない場合は交終度を加えてから減じる。
- 食甚定分を求める。月食では時差を用いず、定望分をそのまま食甚分とする。
- 食甚の入盈縮厯行定度を求める。日食の法と同じ。
- 月食の入陰陽厯を求める。交定度が交中度以下なら陽厯、以上なら交中度を引き去った余りを陰厯とする。
- 交前度・交後度を求める。得られた入陰陽厯が後準以下なら交後、前準以上なら交中度から引いた余りを交前とする。
- 月食の分秒を求める。月食限一十三度五から交前度・交後度を減じ(引けない場合は食にならない)、その余りを定法八十七分で割れば得られる。
- 月食の定用分を求める。三十分と月食の分秒とを引き合わせ、両者を乗じたものを開方積とし、平方の法で開いて開方数とする。さらに四千九百二十分(八百二十分を六倍した数である)を乗じ、定限行度で割れば得られる。
- 月食の三限(初虧・食甚・復圓)の時刻を求める。食甚定分から定用分を減じたものが初虧、加えたものが復圓であり、𤼵斂によって日食と同じように時刻を得る。
- 月食の五限の時刻を求める。月食が十分以上のものは五限で推す。初虧・食既・食甚・生光・復圓である。月食の分秒から十分を引き去り、その余りと十分とを引き合わせて両者を乗じたものを開方積とし、平方に開いて開方数とする。さらに四千九百二十分を乗じ、定限行度で割ったものを既内分とする。定用分と引き合わせた余りを既外分とする。食甚定分から既内分を減じたものが食既分、さらに既外分を減じたものが初虧分、食甚定分に既内分を加えたものが生光分、さらに既外分を加えたものが復圓分であり、それぞれ發斂によって時刻を得る。
- 更㸃を求める。晨分を倍して五で割ったものを更法とし、それをさらに五で割ったものを㸃法とする。
- 月食の入更㸃を求める。三限または五限のそれぞれについて、昏分以上なら昏分を引き去り、晨分以下なら晨分を加える。更法に満たなければ初更、㸃法に満たなければ一㸃であり、以下順に求めてそれぞれの更㸃の数を得る。
- 月食の起復方位を求める。陽厯であれば東北に欠け始め、正北で最大となり、西北で復する。陰厯であれば東南に欠け始め、正南で最大となり、西南で復する。もし食が八分以上であれば、いずれも正東に欠け始め正西で復する。
- 食甚の月離黄道宿次を求める。食甚の入盈縮厯定度が盈にあれば半周天を加え、縮にあれば七十五秒を減じて定積度とする。定積度に嵗前冬至加時の黄道日度を加え、黄道積度鈐で引き去れば得られる。
- 月の帶食を求める。初虧・食甚・復圓などの分が日入分以下なら昏刻の帶食、日出分以上なら晨刻の帶食である(推す法は日食と同じ)。
步五星――基本の定数
- 厯度は三百六十五度二五七五。これを半分にしたものを厯中とし、さらにその半分を厯策とする。
步五星――木星の数値
- 合應は二百四十三萬二三○一(中積三億七千六百一十九萬九七七五に辛巳合應一百一十七萬九七二六を加えて三億七千七百三十七萬九五○一を得、木星の周率で満ちるだけ引き去った余りが大統の合應である)。
- 厯應は五百三十八萬二五七二二一五(中積に辛巳厯應一千八百九十九萬九四八一を加えて三億九千五百一十九萬九二五六を得、木星の厯率で満ちるだけ引き去った余りが大統の厯應である)。
- 周率は三百九十八萬八八。
- 厯率は四千三百三十一萬二九六四八六五。
- 度率は一十一萬八五八二。
- 伏見は一十三度。
步五星――木星の段目
- 各段について、段目・段日・平度・限度・初行率の順に掲げる。
- 合伏。一十六日(八六)、三度八六、二度九三、二十三分。
- 晨疾初。二十八日、六度一一、四度六四、二十二分。
- 晨疾末。二十八日、五度五一、四度一九、二十一分。
- 晨遲初。二十八日、四度三一、三度二八、一十八分。
- 晨遲末。二十八日、一度九一、一度四五、一十二分。
- 晨留。二十四日。
- 晨退。四十六日(五八)、四度(八八一二五)、○度(三二八七五)。
- 夕退。四十六日(五八)、四度(八八一二五)、○度(三二八七五)、一十六分。
- 夕留。二十四日。
- 夕遲初。二十八日、一度九一、一度四五。
- 夕遲末。二十八日、四度三一、三度二八、一十二分。
- 夕疾初。二十八日、五度五一、四度一九、一十八分。
- 夕疾末。二十八日、六度一一、四度六四、二十一分。
- 夕伏。一十六日(八六)、三度八六、二度九三、二十二分。
步五星――火星の数値
- 合應は二百四十○萬一四(中積に辛巳合應五十六萬七五四五を加えて三億七百七十六萬七三二を得、火星の周率で満ちるだけ引き去ったものが大統の合應である。中積は木星の条に見え、五星すべて同じ)。
- 厯應は三百八十四萬五七八九三五(中積に辛巳厯應五百四十七萬二九三八を加えて三億八千一百六十七萬二七一三を得、火星の厯率で満ちるだけ引き去る)。
- 周率は七百七十九萬九二九。
- 厯率は六百八十六萬九五八○四三。
- 度率は一萬八八○七五。
- 伏見は一十九度。
步五星――火星の段目
- 合伏。六十九日、五十度、四十六度(五○)、七十三分。
- 晨疾初。五十九日、四十一度(八○)、三十八度(八七)、七十二分。
- 晨疾末。五十七日、三十九度(○八)、三十六度(三四)、七十分。
- 晨次疾初。五十三日、三十四度(一六)、三十一度(七七)、六十七分。
- 晨次疾末。四十七日、二十七度(○四)、二十五度(一五)、六十二分。
- 晨遲初。三十九日、一十七度(七二)、一十六度(四八)、五十三分。
- 晨遲末。二十九日、六度二○、五度七七、三十八分。
- 晨留。八日。
- 晨退。二十八日(九六四五)、八度(六五六七五)、六度(四六三二五)。
- 夕退。二十八日(九六四五)、八度(六五六七五)、六度(四六三二五)、四十四分。
- 夕留。八日。
- 夕遲初。二十九日、六度二○、五度七七。
- 夕遲末。二十九日、一度七度(七二)、一十六度(四八)、三十八分(「一度七度」は一十七度の誤りか。晨遲初の一十七度〈七二〉に対応する)。
- 夕次疾初。四十七日、二十七度(○四)、二十五度(一五)、五十三分。
- 夕次疾末。五十三日、三十四度(一六)、三十一度(七七)、六十二分。
- 夕疾初。五十七日、三十九度(○八)、三十六度(三四)、六十七分。
- 夕疾末。五十九日、四十一度(八○)、三十八度(八七)、七十分。
- 夕伏。六十九日、五十度、四十六度(五○)、七十二分。
步五星――土星の数値
- 合應は二百○六萬四七三四(中積に辛巳合應一十七萬五六四三を加えて三億七千六百三十七萬五四一八を得、土星の周率で満ちるだけ引き去る)。
- 厯應は一億○六百○○萬三七九九○二(中積に辛巳厯應五千二百二十四萬○五六一を加えて四億二千八百四十四萬○三三六を得、土星の厯率で満ちるだけ引き去る)。
- 周率は三百七十八萬○九一六。
- 厯率は一億○七百四十七萬八八四五六六。
- 度率は二十九萬四二五五。
- 伏見は一十八度。
步五星――土星の段目
- 合伏。二十日(四○)、二度四○、一度四九、一十二分。
- 晨疾。三十一日、三度四○、二度一一、一十一分。
- 晨次疾。二十九日、二度七五、一度七一、一十分。
- 晨遲。二十六日、一度五○、○度八三、八分。
- 晨留。三十日。
- 晨退。五十二日(六四五八)、三度(六二五四五)、○度(二八四五五)。
- 夕退。五十二日(六四五八)、三度(六二五四五)、○度(二八四五五)、一十分。
- 夕留。三十日。
- 夕遲。二十六日、一度五○、○度八三。
- 夕次疾。二十九日、二度七五、一度七一、八分。
- 夕疾。三十一日、三度四○、二度一一、一十分。
- 夕伏。二十日(四○)、二度四○、一度四九、一十一分。
步五星――金星の数値
- 合應は二百三十七萬九四一五(中積に辛巳合應五百七十一萬六三三○を加えて三億八千一百九十一萬六一○五を得、金星に満ち……)。
- 厯應は一十○萬四一八九(……周率で引き去る。中積に辛巳厯應一十一萬九六三九を加えて三億七千六百三十一萬九四一を得る)。
- 周率は五百八十三萬九○二六。
- 厯率は三百六十五萬二五七五。
- 度率は一萬。
- 伏見は一十度半。
步五星――金星の段目
- 合伏。三十九日、四十九度(四滿)、四十七度(金星)、一度二七五。
- 夕疾初。五十二日、六十五度(厯去)、六十三度(去之)、一度二六五。
- 夕疾末。四十九日、六十一度、五十八度(五○)、一度二五五。
- 夕次疾初。四十二日、五十度(六四)、四十八度、一度二三五。
- 夕次疾末。三十九日、四十二度(五○)、四十度(○四)、一度一六。
- 夕遲初。三十三日、二十七度、二十五度(七一)、一度○二。
- 夕遲末。一十六日、四度二五、四度○九、六十二分。
- 夕留。五日。
- 夕退。一十日(九五三一)、三度(六九八七)、一度(五九一三)。
- 夕退伏。六日、四度三五、一度六三、六十一分。
- 合退伏。六日、四度三五、一度六三、八十二分。
- 晨退。一十日(九五三一)、三度(六九八七)、一度(五九一三)、六十一分。
- 晨留。五日。
- 晨遲初。一十六日、四度二五、四度○九。
- 晨遲末。三十三日、二十七度、二十五度(九九)、六十二分。
- 晨次疾初。三十九日、四十二度(五○)、四十度(九○)、一度○二。
- 晨次疾末。四十二日、五十度(二五)、四十八度(三六)、一度一六。
- 晨疾初。四十九日、六十一度、五十八度(七一)、一度二三五。
- 晨疾末。五十二日、六十五度(五○)、六十三度(○四)、一度二五五。
- 晨伏。三十九日、四十九度(五○)、四十七度(六四)、一度二六五。
步五星――水星の数値
- 合應は三十○萬三二一二(中積に辛巳合應七十○萬○四三七を加え、四三億七千六百九十○萬○二一二、水星の周率で満ちるだけ引き去る)。
- 厯應は二百○三萬九七一一(中積に辛巳厯應二百○五萬五一六一を加えて三億七千八百二十五萬四九三六を得、満ちるだけ引き去る)。
- 周率は一百一十五萬八七六。
- 厯率は三百六十五萬二三七五。
- 度率は一萬。
- 晨に伏し夕に見えるのは一十六度半。
- 夕に伏し晨に見えるのは一十九度。
步五星――水星の段目
- 合伏。一十七日(七五)、三十四度(二五)、二十九度(○八)、二度(一五五八)。
- 夕疾。一十五日、二十一度(三八)、一十八度(一六)、一度(七○三四)。
- 夕遲。一十二日、一十度(一二)、八度五九、一度(一四七二)。
- 夕留。二日。
- 夕退伏。一十一日(一八八)、七度(八一二)、二度(一○八)。
- 合退伏。一十一日(一八八)、七度(八一二)、二度(一八)、一度(○三四六)。
- 晨留。二日。
- 晨遲。一十二日、一十度(一三)、八度五九。
- 晨疾。一十五日、二十一度(三八)、一十八度(一六)、一度(一四七二)。
- 晨伏。一十七日(七五)、三十四度(二五)、二十九度(○八)、一度(七○三四)。
步五星――推算の手順
- 五星の前合・後合を求める。中積に合應を加え、周率で満ちるだけ引き去った余りを前合とする。次に周率から前合を減じた余りを後合とする。もし嵗周に満ちて引き去れる場合は、その年に後合はない。
- 五星の中積日と中星度を求める。各星の後合をそのまま合伏の中積・中星とする(日として立てれば中積、度として立てれば中星である)。段日を順次加えて各段の中積とする(いずれも嵗周に満ちれば引き去る)。各段の平度を順次加えて各段の平度とし(嵗周に満ちれば引き去る)、退行の段では減じる(引けない場合は嵗周を加えて引き去る)。以下順次加えていったものが各段の中星である。
- 五星の盈縮厯を求める。中積に厯應と後合とを加え、厯率で満ちるだけ引き去り、余りを度率で割って度とする。厯中以下なら盈、以上なら厯中を引き去って縮とする。各星の合伏の盈縮厯に、各段の限度を順次加え、厯中に満ちれば引き去り、盈は縮に、縮は盈に移して、それぞれ各段の盈縮厯とする。
- 五星の盈縮差を求める。各段の盈縮厯を厯策で割って策數とし、割り切れない分を策餘とする。策餘にその下の損益分(立成表に見える)を乗じ、厯策で割り、得た数を益なら加え損なら減じて盈縮積分に加減すれば盈縮差である。金星はこれを二倍し、水星は三倍する。
- 定積日を求める。各段の中積に、その段の盈縮差を、盈なら加え縮なら減じて得る(嵗周に満ちれば引き去る。中積が引けない場合は嵗周を加えてから減じる)。その段にもともと差のないものは前段の差を借りて加減する。その場合は金・水二星も、得られた盈縮差をそのまま用い、三倍・二倍はしない。
- 加時定日を求める。定積日に嵗前天正冬至分を加え、紀法で満ちるだけ引き去り、余りを甲子から算外に数えたものが定日である(定積日がかつて嵗周に満ちて引き去られたものは本年の冬至を用い、嵗周を加えてから減じたものは嵗前の冬至を用いる)。
- 入る月日を求める。合伏の定積に天正閏餘を加え、朔策で割ったものを月數とし、嵗前十一月から起算する。朔策に満たない分がその月に入ってからの日分である。その月の定朔の甲子と加時定日の甲子との隔たりを見れば合伏の日が分かる。以下、相距日を順次加え、各月の大小に応じて引き去っていけば、各段の入る月日が得られる。
- 定星を求める。各段の中星について、定積日を求める法にならい盈縮差を加減する。
- 加時定星を求める。定星に嵗前冬至加時の黄道日度を加え、周天に満ちれば引き去る。定積日にかつて嵗周を加えたものは嵗前の黄道日度を用い、嵗周を減じたものは本年の黄道日度を用いる。もともと中星度のない段には、定星も加時定星の度分もない。
- 加減定分を求める。定日の小餘にその段の初行率を乗じ、萬に満ちるごとに分とする。得たものは、諸段では減分、退段では加分とする。
- 夜半定星と宿次を求める。加時定星に加減定分を加減して夜半定星とし、黄道積度鈐で引いて夜半宿次とする。留の段は加時定星をそのまま夜半定星として用いる。
- 日率・度率を求める。各段の定日と次段の定日とを引き合わせて日率とする。次段が引けない場合は紀法を加えてから減じる。各段の夜半定星と次段の夜半定星とを引き合わせて度率とする。次段が引けない場合は周天を加えてから減じる。留に近い段はいずれも留段の加時定星と本段の夜半定星とを引き合わせる。星の度が逆行のものは後段から前段を引けば、それぞれ度率が得られる。
- 平行分を求める。度率を日率で割れば得られる。
- 汎差および増減差・總差・日差を求める。本段の前後の平行分を引き合わせたものを本段の汎差とする(およそ五星の伏の段、留に近い遲の段、退の段には汎差がない)。汎差を倍して一位下げたものを増減差とし、増減差を倍したものを總差とする。總差を、日率から一を引いた数で割ったものが日差である(初日の行分が多ければ減差、末日の行分が多ければ加差)。
- 初日行分・末日行分を求める。増減差を、その段の平行分に加減して初日・末日の行分とする。本段の平行分と次段の平行分とを比べ、前が多く後が少なければ加えて初とし減じて末とする。前が少なく後が多ければ減じて初とし加えて末とする。
- 汎差のない諸段の増減差・總差・日差を求める。合伏の場合は、次段の初日行分にその日差の半分(これも次段の日差である)を加えて末日行分とする。晨伏・夕伏の場合は、前段(本段の前の段)の末日行分にその日差の半分(これも前段の日差である)を加えて、二つの伏の初日行分とする。伏段で得た初日・末日の行分を、いずれも本段の平行分と引き合わせた余りを増減差とし、さらに増減差を平行分に加減して初日・末日の行分とする。合伏の末日行分が平行分より少なければ加え、多ければ減じて初日行分とする。晨伏・夕伏の初日行分も、平行分より少なければ加え、多ければ減じて末日行分とする。
- 木星・火星の晨遲末、土星の晨遲、金星の夕遲末、水星の夕遲は、いずれもその前段の末日行分にその日差を倍したものを減じ(前段の日差である)、余りを初日行分とする。木星・火星の夕遲初、土星の夕遲、金星の晨遲初、水星の晨遲は、いずれもその後段の初日行分にその日差を倍したものを減じ(後段の日差である)、余りを末日行分とする。
- 木星・火星・土星の夕伏、金星・水星の晨伏は、いずれもその前段の末日行分にその前段の日差の半分を加えて伏段の初日行分とし、いずれも平行分と引き合わせた余りを増減差とする。
- 木星・火星の晨退・夕退は、その平行分を一位下げて六倍したものを増減差とする。晨退では減じて初とし加えて末とする。夕退では加えて初とし減じて末とする。晨で加え夕で減じる二段は、互いに比べ合わせる。
- 金星の夕退伏・合退伏は、その平行分を一位下げて三倍し折半する。水星の夕退伏・合退伏は、平行分を折半して、それぞれ増減差とする。
- 金星の夕退は、その後段の初日行分から日差(後段の日差)を減じて末日行分とする。金星の晨退は、その前段の末日行分から日差(前段の日差)を減じて初日行分とする。いずれも平行分と引き合わせた余りを増減差とする。
- およそ増減差はこれを倍して總差とし、相距日率から一を引いた数で割って日差とする。初日・末日の行分のうち一方だけが分かっている場合は、増減差を加減してもう一方を求める。伏段の法と同じである。その他は前後の平行分を比べ合わせて増減する。
- 金星・火星の夕遲末と晨遲初は、その段の平行分に相距日率の下の不倫分を乗じ(不倫分の秒は平行の分に対応する)、それを増減差とする。平行分に対し、夕であれば増減差を加えて初日行分、減じて末日行分とする。晨であればその逆にする。
- 不倫分(金星・火星の夕遲末と晨遲初で、増減差が平行分より多くなるものを不倫分という)は次のとおり。十七日は八十八秒八八五、十六日は八十八秒二三一、十五日は八十七秒四九六、十四日は八十六秒七六一。
- 五星の毎日の細行を求める。各段の夜半宿次に初日行分を、順行なら加え退行なら減じて次日の宿次とする。さらに日差を初日行分に加減して毎日の行分とし、同じく順なら加え退なら減じて次日の宿次に及ぼし、黄道宿次に満ちれば引き去る。次段の宿次に至って止め、これを毎日の夜半宿次とする。
- 五星の順逆と交宫の時刻を求める。日ごとの五星の細行と黄道十二宫の界の宿次とを見比べ、宿名が同じで度分も近いものについて引き合わせる。その余分が本日の行分以下であれば、交宫は本日のうちである。順行のものは本日夜半の星行宿次の度分を宫界の度分から減じ、退行のものは宫界の度分を本日夜半の星行宿次の度分から減じ、それぞれ日周を乗じて實とし、本日の行分を法として實を割り、得た数を𤼵斂加時の法によって交宫の時刻とする。
- 五星の伏見を求める。およそ伏見を取るには、伏は「以下」であること、見は「以上」であることが要点である。晨に見え晨に伏するものは、その日の太陽の行度から各星の行度を減じる。夕に見え夕に伏するものは、その日の各星の行度から太陽の行度を減じる。これがその日の晨昏伏見度である。本日の伏見度と次日の伏見度とを引き合わせ、余りを四で割れば晨昏伏見分が得られる。本日の伏見度が次日の伏見度より多ければ減じ、少なければ加える。晨のものは本日の伏見度に伏見分を加減して晨の伏見度とする。夕のものは伏見分を三倍し、伏見度に加減して夕の伏見度とする。各星の伏見度の上下を見比べて取る。
步四餘――基本の定数
- 紫氣の周日は一萬○二百二十七日一七九二。
- 紫氣の度率は二十八日。日行は三分五七一四二九。
- 紫氣の至後策は八千一百九十四萬九六二三。
- 月孛の周日は三千二百三十一日九六八四。
- 月孛の度率は八日八四八四九二。日行は十一分三○(一二六一)。
- 月孛の至後策は一千二百二十萬四六五九。
- 羅計の周日は六千七百九十三日四四三二。
- 羅計の度率は一十八日五九九一○七七六。日行は(五分三七六六○二)。
- 羅㬋の至後策は五千三百三十三萬六二一七。
- 計都の至後策は一千九百三十六萬九○○一。
步四餘――推算の手順
- 四餘の至後策を求める。中積に各餘の至後策を加え、周日で満ちるだけ引き去れば得られる。
- 四餘の周後策を求める。至後策を、立成表の各宿の初度・末度の積日から減じれば得られる。
- 四餘が各宿次の初度・末度に入る積日を求める。各餘の周後策にその年の冬至分を加え、紀法で満ちるだけ引き去れば、各餘の初度・末度の積日である。紫氣と月孛は各宿の初度を、羅㬋と計都は各宿の末度を取る。氣(紫氣)と孛(月孛)は順行、羅・計は逆行である。
- 四餘の初度・末度の積日が入る月日を求める。各餘の周後策に天正閏餘を加え、朔策に満ちるだけ減じ、十一月から起こして朔策に満たなくなったところが入る月である。その初度・末度の積日(すなわち紀法で満ちて引き去ったもの)を甲子から算外に数えて日辰とし、小餘を𤼵斂によって時刻とする。定朔がどの甲子かを見れば、その月に入ってからの日が分かる。
- 四餘の毎日の行度を求める。各餘の初度・末度の積日を置き、氣と孛は度率の日を順次加えていき、当該の度に至ったらその宿の零日と分とを加えれば次の宿の初度である。羅・計は先にその宿の零日と分とを加え、後に度率の日を順次加えれば次の宿の末度である。それぞれ大餘を甲子から算外に数えて日辰とし、次の宿に移るところは小餘を𤼵斂によって時刻とする。
- 四餘の交宫を求める。至後策を各宿の交宫積日から減じ、余りをある宫に入る積日とする。これに天正閏餘を加え、朔策で満ちるだけ引き去り、十一月から起こして朔策に満たなくなったところが入る月である。また入宫積日に冬至分を加え、紀法で満ちるだけ引き去って日辰とし、小餘を𤼵斂によって時刻とする。定朔の甲子と見比べれば交宫の日と時刻が分かる。
步四餘――立成の諸表
- 紫氣宿次日分立成(入算初度)。
- 紫氣交宫積日鈐。
- 月孛宿次日分立成(入箕初度)。欄は、(黄道宿の整度の)日分・宿零分の日分・全日分・各宿に初度で入る積日分の順である。
- 月孛交宫積日鈐。
- 羅計宿次日分立成(入尾未度)。欄は、(黄道宿の整度の)日分・宿零分の日分・全日分・各宿に初度で入る積日分の順である。
- 羅計交宫積日鈐。