高士傳卷一 榮啟期

出自

  • 榮啟期は出身不詳の人。鹿の皮衣に縄の帯という質素な身なりで、琴を弾じながら歌っていた。

泰山での問答(三楽)

  • 泰山に遊んだ孔子が「先生は何を楽しみとされるのか」と問うと、榮啟期は「私の楽しみは多い」と答えた。
  • 天が生んだ万物の中で人が最も貴いのに自分は人として生まれた、これが一の楽しみ。男女の別では男が貴いとされるのに自分は男として生まれた、これが二の楽しみ。日月を見ぬまま、または襁褓のうちに死ぬ者もいる中で自分は既に九十歳まで生きた、これが三の楽しみ。
  • 貧しさは士の常であり、死は人の終わりである。常のままに終わりを待つ、これのどこに楽しみがないことがあろうか、と語った。