高士傳卷一 江上丈人
経歴
- 江上丈人は楚の人。楚の平王が費無忌の讒言により伍奢を殺すと、その子の伍員(伍子胥)は逃げて呉へ向かおうとした。
伍員を渡した恩義
- 長江のほとりで渡し舟がなく、楚の追っ手が急を告げて自ら逃れがたいと恐れていたところ、丈人に助けられて渡ることができた。伍員は帯びていた剣を解いて「これは千金の値の剣です。どうぞお納めください」と差し出した。
- 丈人は受け取らず、「楚国の法では伍胥を捕えた者には執邽の爵と千鎰の金が与えられる。私はそれさえ受け取らないのに、剣など何になろうか」と言い、受け取らずに別れた。丈人の素性は誰も知らない。
- 伍員はのちに呉の宰相となり丈人を探したが見つからなかった。食事のたびに丈人を祭り、「名は聞くことができても、姿を見ることはできない。それがこの江上丈人という人だろうか」と語った。