十六国春秋後涼錄四 紹美人張氏

貞節を守っての最期

  • 紹の美人張氏は燉煌の人。もと隠王紹の美人であり、清らかで弁が立ち操行あり姿色も麗しかった。年十四で紹が殺されると出家を願い出た。隆はこれを見て心惹かれその貞節を汚そうとし、中書郎裴敏を遣わして説得させたが、張氏は名理をよく語り敏はこれに屈した。隆自ら迫ると、張氏は「至道を欽い楽しむがゆえに空門(仏門)に身を投じたのです、節を改めぬことを誓いました」と述べ、門楼に登って身を地に投げ、両踵はともに折れたが仏経を口ずさみ顔色は自若として、まもなく息絶えた。