十六国春秋蜀錄四 李安 字武龍

主君を庇う剛勇

  • 李安、字は武龍。若くして外家の羅氏に養われた。元康元年、難を避け蜀に入り、特の征伐に従い勇烈で知られ、特はこれを子とした。驍騎将軍驤は帳下督護に引き立て、たびたび戦功があり深く信愛された。羅尚が符成・隗伯を遣わし郫城を攻めた際、驤は迎え撃ったが不利となり、傷を負い馬から落ち伏したまま起き上がれず、士衆はみな散った。ただ安と任回だけが左右に留まった。隗伯は数千騎を率いて来ると安を叱り「武龍よ、私が取ろうとしている者だ、そなたは避けて去るがよい」と告げたが、安は目を怒らせこれを叱り「私はそなたに従わない」と述べ、馬を躍らせ真っ直ぐ進んでこれを刺した。伯は逡巡して退いた。