十六国春秋前涼錄六 汜勝(晉書作 汜騰)

清貧を貫いた隠者

  • 汜勝(『晋書』には汜騰に作る)、字は無忌。燉煌の人。孝廉に挙げられ中郎に任じられたが、天下大乱に際し官を去り郷里へ帰った。太守張閟が訪ねてきたが門を閉じて会わず贈り物も一切受け取らず「乱世に生まれ、貴くとも貧しくいられるからこそ免れられるものだ」と嘆じ、家財五十万をすべて宗族に分け与え、柴門で畑に水をやりながら琴書を楽しみとした。軌は府司馬に招いたが固辞し「一度閉ざした門をどうして開けられようか」と述べた。病に伏すこと二か月で卒した。