十国春秋卷八十九 吳越十三 暨齊物

暨齊物

  • 暨斉物(一に物斉に作り、また済物にも作る)は字を子虚といい、杭州の人である。玉清観の朱君緒を師とし、法籙・神符・秘方を受け、物を救うことを怠らなかった。後に大滌山中に入り、巌洞に依って室とし、また垂象楼を構えて道書を幾千巻も貯え、朝夕討論して精微を貫穿したので、聴く者は倦むことを忘れなかった。忠懿王が弟子を賜り度させようとすると、斉物は「静けさを楽しむこと久しく、そのようなことは望みません」と答えた。居所の室の壁には東西にそれぞれ一つの隟(すきま)を設け、日月の光華を采っていたが、久しくして忽然と左右に「私はまた羅浮の石楼の間に行こう」と語り、ついにその行方が分からなくなった。