十国春秋卷七十五 楚九 列傳 劉昌嗣

姓を易えて隠棲する

  • 劉昌嗣は湘郷の人である。初め後漢の隠帝に仕え、磁・相二州の刺史となった。隠帝が害に遇うと、昌嗣は地を避けて衡山に赴いた。恭孝王が衡山に在って、しばしば賓礼を以て招いたが至らなかった。周行逢が潭州に拠ると、逼って幕僚とした。昌嗣は言った、「私はかつて身を漢朝に致した。たとえ夷斉(伯夷・叔斉)となることができないとしても、独り梅福に効うことはできないだろうか」。そこで姓を范と易え、号を愚叟とし、躬(みずか)ら耕してその身を終えた。