十国春秋卷六十一 南漢四 列傳 循王𢎞杲
循王𢎞杲
- 𢎞杲は高祖の第十子である。大有五年、循王に封ぜられ、応乾の初め、兄の𢎞昌とともに心を同じくして擁戴し、副元帥を加えられ政事に参預した。中宗の立つや、国中の議論は詾詾(きょうきょう、騒然)としており、𢎞杲はしばしば賊を討つことを請い、隠かに劉思潮らを斬って外議を止めることを勧めた。思潮らはこれを聞いて𢎞杲が謀反し異心があると讒言し、中宗は大いに怒って使者を夜に𢎞杲へ召した。𢎞杲は免れられないことを知り、使者を留めて中に入り沐浴して仏前に詣り、祝って「𢎞杲は誤って王宮に生まれ念じたが、今殺されるであろう。後世は民家に生まれて屠害を免れんことを」と言い、涕泣しながら家人に訣別してから召しに応じた。至ると死を賜った。一に「𢎞杲がまさに客を宴していたとき、思潮は譚令禋とともに衛兵を率いて突入しこれを斬った」ともいう。