十国春秋卷三十三 南唐十九 列傳 僧𤣥寂

「酒禿」と号した破戒僧

  • 僧玄寂は姓を髙氏といい、もと唐の節度使高駢の一族の子である。家を棄てて剃髪し、群書を広く極め、講説を善くしたが、脱略・跌宕(自由奔放)で酔わない日はなかった。かつて自ら「酒禿」と号したという。後主は召して『華厳経』梵行品を講じさせ、金帛を非常に厚く与えたが、玄寂はその日のうちにことごとく酒屋に送ってしまい、日夜激しく飲み続けた。酔えば数十人の子供を従えて大声で歌いながら道を行き、歌って「酒禿、酒禿、何の栄えか何の辱めか、ただ衣冠が古き丘となるのを見るのみで、江河が陵谷に変わるのを見ない」と詠んだ。ある日、石子岡で酔って死んだ。