十国春秋卷三十三 南唐十九 列傳 僧文遂
八還の義を問われ知解を焼く
- 僧文遂は杭州の人で、もとは陸姓である。常に『楞厳経』の注釈を作っていたが、師の文益のもとに謁見に赴き、自分の業績を述べた。文益は「楞厳経にはどうして八還の義がないと言えようか」と言った。文遂は「あります」と答えた。文益は「明は何処に還るか」と問うと、「明は日輪に還ります」と答えた。文益がまた「日は何処に還るか」と問うと、文遂は懵然として答えられなかった。文益は戒めて注釈の文を焼かせた。これより知解を忘れ、禅学は日々に進んだ。後主は雷音覚海大導師に署した。