十国春秋卷三十一 南唐十七 列傳 董源
山水と瑠璃屏の逸話
- 董源(一に元に作る)は絵をよくし、後主の時、後苑副使となった。画は多く山水・龍が蟄(ひそ)んだ洞から離れ出て昇降自在な様を描き、また人物画にも巧みであった。ある日、後主が碧落宮に座して馮延己を召して事を論じようとしたが、延己は宮門に至って逡巡しあえて進まなかった。後主が使者を遣わしてこれを促すと、延己は「宮娥が青紅の錦袍を着て門に立っており、あえて進むことができません」と言った。使者を従えて共にこれを諦視すると、それは八尺の瑠璃屏で夷光(西施)を上に描いたもので、思うに源の筆であった。