十国春秋卷十二 列傳 䖍州少年
䖍州少年
- 虔州の少年は、姓氏が詳らかでない。高祖の時、虔州の将である鍾某が広陵に赴く途中、太和戍を通りかかったとき、この少年に出会い、同行を求められたので、鍾はこれを許した。
- たまたま肉屋で豚の頭を買おうとしたが、一文の銭も持ち合わせていなかったところ、少年は「そのようなことは容易いことだ」と言った。戻る頃には、すでに豚の頭を袖の中から取り出しており、そこで嚢中の銭を解いてその代金を払った。
- 広陵に着くと、数人の軽俠(荒くれ者)が旅宿にやって来たが、少年は青い衣を着た者を指して「これはきっと今夜盗みを働く者だ」と言った。鍾はまだそれを信じなかったが、真夜中に壁に穴を開ける音を聞き、その者が首を出して穴を通り過ぎるのをうかがって急いで捕らえたところ、まさにその青衣の客であった。
- しばらくして、少年は突然鍾に言った。「ここに長くいてはならない。急いで帰るべきだ。」鍾がその言葉に従って白沙まで来たとき、朱瑾が殺され、広陵は果たして大いに騒乱となった。