十国春秋卷九 列傳 徐善

神告により知遇を得る

  • 徐善は洪州の人である。秦裴が洪州を抜いたとき、徐善には殊色をほしいままにした妹があり、軍校に見初められ強いて幣を納められて婚約させられたが、まもなくこれを連れ去られてしまった。
  • 徐善は広陵に詣でてその事を訴えようとしたが、このころ烈祖の府庭は甚だ厳しく、布衣の遊士は年を経てもひとたび見えることができなかった。
  • 徐善がようやく白沙に至ったとき、烈祖は夜、神が「江西の秀才徐善が公に見えようとして、今白沙の旅宿にいる。その人は良士である。かつ訴えるべき情があってまだ申し述べられずにいる。よろしく厚遇すべきだ」と告げる夢を見た。
  • 烈祖は朝になるとすぐに騎兵を遣わして徐善を迎えた。徐善が至ると礼遇は優渥で、そこで妹が掠め取られた事情を具さに述べたので、烈祖は購い贖って連れ戻すよう命じた。
  • 歙州刺史の陶雅はこれを聞いて異とし、徐善を招いて従事とした。高祖の時、官は中書舎人に至った。