封神演義周武王、鹿台にて財を散ずる(第九十八回 周武王鹿臺散財)
朝歌の惨状を見る武王
武王は宮中の無辜の犠牲を思い、軍士に濫殺・略奪を厳禁させる。炮烙の銅柱、蠆盆、酒池肉林の跡を見て回り、紂王の残虐を嘆き、詩を詠んで記す。摘星楼の焼け跡でも遺骸を丁重に埋葬するよう命じ、紂王の遺骨も探し出して天子の礼で葬るよう子牙に指示する。
鹿台の財を民に分かつ
鹿台の豪奢を見た武王は、紂王の奢侈が滅亡の因であったと嘆じ、鹿台の財貨と鉅橋の穀物を諸侯・民衆に分け与えるよう命じる。捕らえられた紂王の子・武庚については、群臣が処刑を求めるが、武王は罪なき者に及ぼすべきでないとして助命し、後に旧領を継がせ商の祭祀を存続させる方針を示す。
諸侯、武王の即位を勧める
東伯侯姜文煥をはじめ諸侯は口々に武王へ天子の位に即くよう勧めるが、武王は再三固辞する。子牙が「天下の心はすでに周に帰している、今を逃せば諸侯が離散する」と説き、まず祭壇を築いて天地に告げることとし、周公旦に築壇を命じる。
即位の礼
天地壇に三層の壇が築かれ、方位・十干十二支・四季の神を配した祭祀の設えが整う。武王が登壇し、周公旦が祝文を読み上げて天地に即位を告げる。武王は天子の位に即き、諸侯の朝賀を受け、大赦を布告して宴を催す。
朝歌の善後と帰国
武王は鹿台の財・鉅橋の粟を諸侯・民に施し、摘星楼などの宮殿を取り壊し、箕子を釈放し、比干の墓を築き、商容の里門を表彰するなど善政を行う。朝歌統治には弟の管叔鮮・蔡叔度を監国として残し、二人に民を慈しむよう戒めて西岐へ帰還する。道中、伯夷・叔齊が現れ、武王の武力による革命を「暴を以て暴に易う」と批判し、周の粟を食まず首陽山で餓死する。
帰還と論功
西岐に帰った武王は散宜生らの出迎えを受け、戦没した忠臣たちを思って感慨にふける。飛廉・惡来が玉符・金冊を献上して仕官を願い出るが、子牙はその佞臣ぶりを見抜きつつも、後で始末をつける腹づもりで受け入れ、二人は中大夫に任じられる。
子牙の旧妻・馬氏の末路
かつて子牙を見限って去った馬氏は、子牙が今や富貴を極めたと聞いて後悔にさいなまれ、恥じて自ら首を吊って死ぬ。
子牙、封神のため崑崙山へ
子牙は武王に、戦没した忠臣・神仙たちの霊を早く封神すべきことを奏上し、暇を得て崑崙山の元始天尊のもとへ向かう。