封神演義冀州侯蘇護、西岐を伐つ(第五十七回 冀州侯蘇護伐西岐)
蘇護、密かに帰周を決意する
勅命を受けた蘇護は、内心大いに喜ぶ。娘の妲己が紂王を惑わし天下に害をなしたことを恥じており、この出征を機に一族を挙げて西岐に帰順しようと妻子に打ち明ける。表向きは十万の軍を整え、先行官の趙丙・孫子羽・陳光、救応使の鄭倫らを従えて西岐へ向かう。
黄飛虎との初戦、趙丙が捕らわれる
西岐に着陣した蘇護軍に対し、黄飛虎が偵察を兼ねて出陣する。先行官の趙丙が応戦するが、二十合ほどで黄飛虎に生け捕りにされ、姜子牙のもとに送られる。
鄭倫の妖術で黄飛虎・黄天化・土行孫が次々に捕らわれる
鄭倫は鼻から白光と怪音を放って敵の魂を奪う秘術を用いる将で、黄飛虎、続いて黄天化を相次いで打ち倒し生け捕る。土行孫も出陣するが同様に術で倒され、烏鴉兵に縛られる。ただし土行孫は地行の術で忽然と姿を消し、逃げ帰る。鄧嬋玉が援護に出て五光石を放ち、鄭倫の顔に傷を負わせる。
哪吒の乾坤圏、鄭倫を退ける
翌日、鄭倫は再び鄧嬋玉を名指しして挑発するが、子牙は哪吒を出陣させる。鄭倫の秘術は哪吒には効かず、激戦の末、哪吒の乾坤圏が鄭倫の背に命中し、鄭倫は負傷して敗走する。
蘇護、鄭倫に帰周を説くも拒まれる
蘇護は負傷した鄭倫を慰めつつ、堯舜の禅譲の故事を引いて天命が周に移ったことを説き、共に帰順しようと持ちかける。しかし鄭倫は「国戚である蘇護と違い、自分は紂王に忠義を尽くす」と強く拒み、あくまで紂王に殉じる覚悟を示して自陣に戻る。
蘇護、黄飛虎父子を密かに解放する
蘇護は蘇全忠と諮り、夜半に黄飛虎父子を解放して自らの帰周の意を伝える。黄飛虎はこれを喜び、蘇護の帰順を助けると約束して城に戻り、子牙に事の次第を報告する。蘇護父子は鄭倫に阻まれてなお帰順できずにおり、蘇全忠は「鄭倫を生け捕りにして意向を確かめさせよう」と提案する。
呂岳、鄭倫を助けて帰順を阻む
そこへ九龍島の道士・呂岳が申公豹の依頼で蘇護軍に加勢に現れる。呂岳は負傷した鄭倫の傷を丹薬で瞬時に癒やし、鄭倫はこれに感謝して呂岳に弟子入りする。蘇護の帰周の計画は呂岳の介入で頓挫する。数日後、呂岳の四人の弟子(周信・李奇・朱天麟・楊文輝)が到着し、いずれも凶悪な風貌の道士であった。呂岳は彼らのうち一人を西岐攻めに差し向ける。
【例外】|評語相当の講評節は原文になし|末尾は次回へ続く場面転換のため「### 評語」は立てなかった