北史卷二十五 列傳第十三 王洛兒
王洛兒
- 王洛兒、京兆の人。明元帝の東宮時代、善射をもって帳下に給仕し謹厚で過失がなかった。明元帝が灅南で狩をした際、氷が陥ち馬もろとも沈んだが、洛兒は水に飛び込み帝を救い出し、自らは凍死しかけた。帝は衣を脱いで賜り以後恩寵は日ごとに厚くなった。天賜末年、帝が難を避けて外にいた頃、洛兒は昼夜を分かたず侍衛し至誠を尽くした。元紹の逆変の際、帝の左右には洛兒と車路頭だけが残った。二人は昼は山嶺に隠れ夜は洛兒の家に戻った。洛兒の隣人李道が密かに供給を続けたが、事が知れると紹はこれを斬った。洛兒はなお危険を冒して京都を往来し大臣に消息を伝え、大臣らはついに帝を出迎え百姓も駆けつけた。明元帝の還宮により社稷は保たれ、洛兒はこれに功があった。明元帝即位後、散騎常侍を拝し新息公を賜爵、直意将軍を加えられた。父も列侯を追贈され僮隷五十戸を賜った。卒去。太尉・建平王を贈られ、温明の柩と輬車を賜り殿中衛士に導従させ、帝自ら四度哀哭した。妻の周氏を鴆殺し合葬させた。子の長城が爵を襲いだ。