元史卷一百九十四 列傳第八十一 呉徳新
呉徳新(字止善)
- また呉徳新という者があり、字は止善、建昌の人。医を工とし京師に留まること久しく、常に寧夏に赴いていた。折しも盗が至り徳新は捕らえられ、脅されて降伏を迫られたが、徳新は声を励まし「私は生きては皇元の人、死しては皇元の鬼となる、誓ってお前らに従わない」と言った。賊はその両手を縛り白刃を頸に加えて畏れさせようとしたが、徳新は罵り続けた。賊は井の上まで引き擠おとそうとしたが、徳新はふとした隙に自ら井に身を投げ、なお天を仰いで賊を罵った。賊は下から矢を射てその頂を貫いたが、罵りはますます激しくなった。賊は怒って長槍でこれを刺したが、その志を壮とし死を憐れんで「これぞ真の丈夫だ」と言い、井を土で埋めて去った。