元史卷一百九十四 列傳第八十一 卞琛

卞琛

  • 卞琛は大名の人。代々農夫であったが早くに京師に遊学し国子生に補せられ、その後母の喪に服して家で農を治めていた。至正12年(1352年)隣郡で盗が起こり、まもなく来て掠奪したので、琛は従子の小十、府史の李仲亨らと謀を協せて丁壮数百人を統率して賊を撃った。丁壮はみな民兵で弓矢の備えがなく、ただ鉤鉏や白挺で賊に当たった。賊の矢が雨のように集まり琛の衆は潰散し捕らえられ、仲亨と小十はいずれも死んだ。賊はもとより琛を知っており「われに従えば縛を解いてやる、従わなければ殺す」と諭したが、琛は唾を吐いて「私は国子生である、お前ら逆賊を見れば真の狗彘だ、私は義に死んでも賊に従って生きることはしない」と罵り続け、賊はしばしば脅したが聞き入れないので殺した。