元史卷一百六 表第一 后妃表
序
- 后妃の制度には古来等級と威儀があった。元朝は建国当初、モンゴルの国俗により異姓を娶らず、后妃も特定の氏族の出でなければ嫡室に立てなかった。当時の史臣はこれを周の姫姓・斉の姜姓に倣う舅甥の貴い慣わしと見なし、歴代守られてきたことをよいことだとした。
- しかし后妃の居所には鄂爾多(オルド、宮帳)の分立があり、継承・守宮の法も複雑で、位号の混淆や名分の乱れも甚だしかった。歴朝しばしば有司に后妃伝の編纂を詔したが、まとまった書は成らなかった。
- 宮廷の内事は秘され外部にはうかがい知れない。史官もその概略を得るのみで、簡牘に残る氏名すらも詳細を尽くせない。それでも遺漏なく記録しないわけにはいかず、疑わしい点は疑いを残しつつ慎んで記す、というのが史家の作法である。こうして后妃伝を作る。