元史卷九十一 志第四十一上 百官七

行中書省の制度

  • 行中書省は従一品で、国の庶務を統べ、郡県・鎮・辺鄙を統轄し、中央の都省(中書省)と表裏をなす。国初は征伐・軍民の事を分掌する官をすべて「行省」と称したが定制がなく、中統・至元年間になって初めて行中書省が正式に分立し、事に応じて官を設けるようになった。官員は必ずしも備わらず、みな中央省の官が出向してその事を治め、丞相はみな宰執の身分で「某処省事」と署名した。後にこの呼称が朝廷の威権を分かつと嫌われ、「某処行中書省」と改称された。銭糧・兵甲・屯種・漕運など軍国の重事はすべてその管轄に属した。至元二十四年に行尚書省と改称、まもなく旧に復し、至大二年にまた行尚書省と改称、二年後にまた旧に復した。
  • 定員:丞相1員(従一品)、平章2員(従一品)、右丞1員・左丞1員(正二品)、参知政事2員(従二品。ただし甘粛・嶺北の二省は各1員を減じる)、郎中2員(従五品)、員外郎2員(従六品)、都事2員(従七品)、掾史・モンゴル筆且斉(必闍赤)・回回令史・通事・知印・宣使は各省で員数が異なる。
  • 旧制では参政の下に僉省・同僉の職があったが後に廃止された。丞相は置いたり置かなかったりし、人選を慎重に扱ったためしばしば欠員となった。

各行省の沿革

  • 河南江北等処行中書省:至元五年、随路鄂囉官を廃し、参政アリを河南等路の行省事に任じて設置。二十八年、河南江北が要衝の地でかつ新たに版図に入ったことから汴梁に省を立てて統治し、河南十八路七府を統轄した。
  • 江浙等処行中書省:至元十三年、はじめて江淮行省を揚州に置く。二十一年、地理・民事の便から杭州に遷す。二十二年、江北諸郡を割いて河南に隷させ、江浙行省と改称。三十路一府を統轄した。
  • 江西等処行中書省:至元十四年に置き、十五年に福建行省へ併入。十七年、龍興府に省を復置し、福建は自ら行省となって泉州に治す。二十一年、福建行省を江西に併入、二十三年また福建省を江浙に併入。十八路を統轄した。
  • 湖廣等処行中書省:至元十一年、右丞相バヤンが宋を伐つにあたり中書省事を襄陽に行う。まもなく別将が省を鄂州に分ち、荆湖等路行中書省とする。十三年、潭州を取ってそこに省治を置く。十八年、また鄂州に徙す。三十路三府を統轄した。
  • 陜西等処行中書省:中統元年、商挺に秦蜀五路四川の行省事を領させる。三年、陜西四川行中書省を改立し京兆に治す。至元三年、利州に治を移す。十七年、また京兆に復す。十八年、四川を分省し、まもなく四川宣慰司と改立。二十一年、また陜西四川行省に合わせる。二十三年、四川に行枢密院を立て、本省の管轄地は陜西四路五府のみとなった。
  • 四川等処行中書省:国初、その地は陜西に総属していた。至元十八年、陜西行中書から四川を分省。二十三年、はじめて四川行省を置き成都に署す。九路五府を統轄した。
  • 遼陽等処行中書省:至元二十四年に置き、遼陽路に治す。七路一府を統轄した。
  • 甘粛等処行中書省:中統二年、行省を中興に立てる。十年、これを罷める。十八年、また立てる。二十二年、また罷めて宣慰司と改立。二十三年、中興省を甘州に徙して甘粛行省を立てる。三十一年、寧夏に按治を分省するがまもなく併帰。本省は甘州路に治し、七路三州を統轄した。
  • 嶺北等処行中書省:国初、太祖がハラホリン河の西に都を定め、その城を和琳と名づけ元昌路を立てる。中統五年、世祖が都を中興に遷し、はじめて宣慰司都元帥府を置く。大徳十一年、和琳等処行中書省を改立、右丞相・左丞相各1員を置く。至大四年、右丞相を省く。皇慶元年、嶺北等処行中書省と改称し設官は上記の通り。和寧路を置き、北辺等処を統轄した。
  • 雲南等処行中書省:古の南詔の地。はじめ世祖が征取して郡県とし、宗王を封建して軍民を鎮撫させた。至元十一年、はじめて行省を置き中慶路に治す。三十七路五府を統轄した。
  • 征東等処行中書省:至元二十年、日本征討のため高麗王に命じて省を置き軍興の務を典らせる。師還ってこれを罷める。大徳三年、また行省を立て中国の法で治めさせたが、王がその不便を言上して省を罷め、その国俗に従わせる。至治元年、また置き、高麗王が丞相を兼領して属官の自奏選任を得るようにし、瀋陽に治す。二府一司五道を統轄した。

各省属官

  • 検校所:検校1員(従七品)、書吏2人。
  • 照磨所:照磨1員(正八品)。
  • 架閣庫:管勾1員(正八品)。
  • 理問所:理問2員(正四品)、副理問2員(従五品)、知事1員、提控案牘1員。
  • 都鎮撫司:都鎮撫1員、副都鎮撫1員。

宣慰司

  • 軍民の務を掌り、道を分けて郡県を総べる。行省に政令があれば下に布告し、郡県に請う所があれば省に達する。辺陲に軍旅の事があれば都元帥府を兼ね、その次は元帥府のみとなる。遠服の地にはさらに詔討・安慰・宣撫等の使があり、品秩・員数はそれぞれ差等がある。

宣慰使司(秩従二品)

  • 宣慰使3員(従二品)、同知1員(従三品)、副使1員(従四品)、経歴1員(従六品)、都事1員(従七品)、照磨兼架閣管勾1員(従九品)。凡そ六道。
  • 山東東西道(益都路に置く)・河東山西道(大同路に置く)・淮東道(揚州に置く)・浙東道(慶元路に置く)・荆湖北道(中興路に置く)・湖南道(天臨に置く)。

宣慰使司都元帥府(秩従二品)

  • 使3員、同知2員、副使2員、経歴2員、都事2員、照磨兼架閣管勾1員。
  • 廣東道(廣州に置く)・大理金齒等処・蒙慶等処(右二府はいずれも上記の官制。ただし蒙慶府のみ使2員、同知・副使各1員、経歴・都事は各1員減じる)。
  • 廣西兩江道(静江路に置く)・海北海南道・福建道・八番順元等処・察汗諾爾等(右五府は宣慰使・都元帥3員、副都元帥・僉都元帥事各2員、余は上に同じ)。

宣慰使兼管軍萬戸府

  • 各府:宣慰使3員、同知・副使各1員、経歴1員、都事2員、照磨兼管勾1員。
  • 曲靖等路・羅羅斯・臨安廣西道元江等処。

都元帥府

  • 都元帥2員、副元帥2員、経歴・知事各1員。
  • 北庭(吐蕃宣慰司に隷す)・察遜塔拉(都元帥3員)・蒙古軍・征東(二府とも都元帥各1員、副1員)。

元帥府(秩正三品)

  • 逹嚕噶齊1員、元帥1員、経歴・知事各1員。
  • 李店文州・帖城河里洋脱・朶甘斯・當陽・岷州・積石州・洮州路・圖沙瑪路・十八族。
  • 右九府のうち李店文州のみ同知・副元帥各1員を増置。他の八府は吐蕃宣慰司に隷し、設官はみな同じ。

宣撫司(秩正三品)

  • 逹嚕噶齊1員、宣撫1員、同知・副使各2員、僉事1員、計議・経歴・知事各1員、提控案牘架閣1員。損益は各府ごとに異なる。
  • 廣南西道(副使・僉事を置かず)・麗江路(以上、雲南省に隷す)・順元等処・播州・思州(以上、湖廣省に隷す)・叙南等処(四川行省に隷し、僉事・計議を置かず)。

安撫司(秩正三品)

  • 逹嚕噶齊1員、安撫使1員、同知・副使・僉事各1員、経歴・知事各1員。損益は各司ごとに異なる。
  • 師壁洞(逹嚕噶齊を置かず)・永順等処(以上、四川省に隷す)・㪚毛洞・羅番遏蠻軍(逹嚕噶齊を置かず)・程番武盛軍・金石番太平軍・臥龍番南寧州・小龍番静蠻軍(同知・副使を置かず)・大龍番應天府・洪番永盛軍・方番河中府・蘆番静海軍・新添葛蠻(以上、湖廣省に隷す)。

招討司(秩正三品)

  • 逹嚕噶齊1員、招討使1員、経歴1員。
  • 土番・喇嘛綱等処・天全・班布爾實・㳂邉溪洞(以下は各副使1員を置き逹嚕噶齊を置かない)・索紐・諸番・征緬・長河西裏管軍・逹哩管軍・圖沙瑪田地。

諸路萬戸府

  • 上万戸府(管軍七千以上):逹嚕噶齊1員・万戸1員(ともに正三品・虎符)、副万戸1員(従三品・虎符)。
  • 中万戸府(管軍五千以上):逹嚕噶齊1員・万戸1員(ともに従三品・虎符)、副万戸1員(正四品・金牌)。
  • 下万戸府(管軍三千以上):逹嚕噶齊1員・万戸1員(ともに従三品・虎符)、副万戸1員(従四品・金牌)。官はみな世襲し、功績あれば陞進した。各府に経歴1員(従七品)、知事1員(従八品)、提控案牘1員を置く。
  • 鎮撫司:鎮撫2員(モンゴル・漢人を参用。上万戸府は正五品、中万戸府は従五品でともに金牌、下万戸府は正六品でともに銀牌)。
  • 上千戸所(管軍七百以上):逹嚕噶齊1員・千戸1員(ともに従四品・金牌)、副千戸1員(正五品・金牌)。
  • 中千戸所(管軍五百以上):逹嚕噶齊1員・千戸1員(ともに正五品・金牌)、副千戸1員(従五品・金牌)。
  • 下千戸所(管軍三百以上):逹嚕噶齊1員・千戸1員(ともに従五品・金牌)、副千戸1員(正六品・銀牌)、彈壓2員(モンゴル・漢人を参用。上千戸所は従八品、中・下二所は正九・従九品より銓注)。
  • 上百戸所:百戸2員(モンゴル1員・漢人1員、ともに従六品・銀牌)。
  • 下百戸所:百戸1員(従七品・銀牌)。

学校・医療関連の司

  • 儒学提挙司(秩従五品):各行省の所署の地にみな1司を置き、諸路府州県の学校・祭祀・教養・銭糧の事、および考校・呈進の著述文字を統轄する。提挙1員(従五品)、副提挙1員(従七品)、吏目1人、司吏2人。
  • モンゴル提挙学校官(秩従五品):提挙1員(従五品)、同提挙1員(従七品)。至元十八年に置き、江浙・湖廣・江西の三省のみに有り、他省には置かない。
  • 官医提挙司(秩従六品):提挙1員、同提挙1員、副提挙1員。医戸の差役・詞訟を掌る。至元二十五年、河南・江浙・江西・湖廣・陜西の五省に各1司を立てる。他省にはない。

両淮都転運塩使司(秩正三品)

  • 国初、両淮内附ののち提挙マリファンジャンが専ら塩課の事を掌った。至元十四年、はじめて司を揚州に置く。使2員(正三品)、同知1員(正四品)、副使1員(正五品)、運判2員(正六品)、経歴1員(従七品)、知事1員(従八品)、照磨1員(従九品)。三十年、塩司を悉く罷めてその属を場官に置く。大徳四年、また批験所を真州・采石等処に置く。
  • 塩場29所:各場に司令1員(従七品)、司丞1員(従八品)、管勾1員(従九品)、それぞれ塩を弁ずる員数に差あり。
  • 呂四場・餘東場・餘中場・餘西場・西亭場・金沙場・石港場・掘港場・豐利場・馬塘場・拼苶場・角斜場・富安場・安豐場・梁垜場・東臺場・河垜場・丁溪場・小海場・草堰場・白駒場・劉莊場・五祐場・新興場・廟灣場・莞瀆場・板浦場・臨洪場・徐瀆浦場。
  • 批験所:各所に提領1員(正七品)、大使1員(正八品)、副使1員(正九品)。塩引の検査を掌る。

両浙都転運塩使司(秩正三品)

  • 使2員、同知2員、運判2員、経歴・知事各1員、照磨1員。至元十四年、司を杭州に置く。大徳三年、産塩の地を定めて場を立て、杭州・嘉興・紹興・温台等処に検校4所を設けて塩袋の重量が常度を超えないよう専ら検める。
  • 塩場34所:各所に司令1員(従七品)、司丞1員(従八品)、管勾1員(従九品)。
  • 仁和場・許村場・西路場・下沙場・青村場・表部場・浦東場・横浦場・蘆&KR0377;場・海沙場・鮑郎場・西興場・錢青場・三江場・曹娥場・石堰場・鳴鶴場・清泉場・長山場・穿山場・袋山場・玉泉場・蘆花場・大嵩場・昌國場・永嘉場・䨇穗場・天富南監・長林場・黄巖場・杜瀆場・天富北監・長亭場・龍頭場。

福建等処都転運塩使司(秩正三品)

  • 使2員、同知2員、運判2員、経歴・知事各1員、照磨1員。至元十四年、はじめて市舶司を置き煎塩・徴課の事を領させる。二十四年、塩運使司と改立。二十九年、罷めて提挙司を立てる。大徳四年、また運司に復す。九年、また罷めて元帥府に併入しこれを兼掌させる。十年、また都提挙司を立てる。至大四年、また運司に陞し行省に隷す。塩場は凡そ7所。
  • 海口場・牛田場・上里場・惠安場・潯羙場・浯州場・&KR1801;州場。

広東塩課提挙司

  • 至元十三年、はじめて廣州に徙して塩課を兼辦する。十六年、江西塩鉄茶都転運司に隷す。二十二年、宣慰司に併入。二十三年、市舶提挙司を置く。大徳四年、廣東塩課提挙司と改称。提挙1員(従五品)、同提挙1員(従六品)、副提挙1員(従七品)。
  • 塩場13所:各所に司令1員(従七品)、司丞1員(従八品)、管勾1員(従九品)。
  • 靖康場・歸徳場・東莞場・黄田場・香山場・矬峒場・䨇恩場・咸水場・漆水場・石橋場・隆井場・招收場・小江場。

四川茶塩転運司

  • 成都の塩井95か所は諸郡の山中に散在する。至元二年、興元四川転運司を置き専ら煎熬・辦課の事を掌る。八年、これを罷める。十六年、また転運司を立てる。十八年、四道宣慰司に併入。十九年、また陜西四川転運司を立てて諸課程の事を通轄。二十二年、四川茶塩運司を置く(秩従三品)。使1員、同知・副使・運判各1員、経歴・知事・照磨各1員。
  • 塩場12所:各所に司令1員(従七品)、司丞1員(従八品)、管勾1員(従九品)。
  • 簡鹽場・隆鹽場・綿鹽場・潼川場・遂實場・順慶場・保寧場・嘉定場・長寧場・紹慶場・雲安場・大寧場。

広海塩課提挙司

  • 至元三十一年に置く。専ら塩課を職とする(秩正四品)。都提挙2員(従四品)、同提挙2員(従五品)、副提挙2員(従六品)、知事1員、提控案牘1員。

市舶提挙司

  • 至元二十三年、塩課市舶提挙司を立て廣東宣慰司に隷す。三十年、海南博易提挙司を立てる。至大四年、これを罷め下番船隻を禁止。元祐元年(原文のまま)、その禁を弛め泉州・廣東・慶元の三市舶提挙司を改立。各司提挙2員(従五品)、同提挙2員(従六品)、副提挙2員(従七品)、知事1員。

海道運糧万戸府(秩正三品)

  • 至元二十年に置く。毎歳、海道より糧を運んで大都に供給する事を掌る。逹嚕噶齊1員、万戸1員(ともに正三品)、副万戸4員(従三品)、経歴1員(従七品)、知事1員(従八品)、照磨1員(従九品)、鎮撫2員(正五品)。
  • 海運千戸所(秩正五品):逹嚕噶齊1員、千戸2員(ともに正五品)、副千戸3員(従五品)。温台・慶元紹興・杭州嘉興・崑山崇明常熟江陰等処に凡そ5所置き、平江にはさらに海運香沙糯米千戸所がある。

諸路総管府

  • 至元初に置く。二十年、十万戸以上を上路、十万戸以下を下路と定めたが、要衝に当たる地は十万戸に及ばずとも上路とした。
  • 上路(秩正三品):逹嚕噶齊1員、総管1員(ともに正三品、勧農事を兼管。江北はさらに諸軍鄂囉を兼ねる)、同知・治中・判官各1員。
  • 下路(秩従三品):治中を置かず同知が治中の秩を兼ね、余は上路と同じ。至元二十三年、推官2員を置き専ら刑獄を治めさせる(下路は1員)。経歴1員、知事1員または2員、照磨兼承発架閣1員。司吏は定制なく事の繁簡に応じ多寡を定める。訳史・通事各1人。
  • 属官:儒学教授1員(秩九品。一路各1員、学正1員、学録1員を置く。散府の上中州も教授1員、下州は学正1員を置く)、モンゴル教授1員(正九品)、医学教授1員、陰陽教授1員、司獄司(司獄1員、丞1員)、平淮行用庫(提領・大使・副使各1員)、織染局(局使1員、副使1員)、雑造局(大使1員、副使1員)、府倉(大使1員、副使1員)、恵民薬局(提領1員)、税務(提領1員、大使・副使各1員)。
  • 録事司(秩正八品):路府所治の地に1司を置き城中戸民の事を掌る。中統二年、民戸を検して員数を定め、2千戸以上は録事・司候・判官各1員、2千戸以下は判官を省く。至元二十年、逹嚕噶齊1員を置き司候は判官が捕盗の事を兼ね、典史1員を置く。城市の民が少なければ置かず倚郭県に帰属させる。両京では警巡院とし、杭州のみ四司を置き後に左右両司に省く。

散府

  • 散府(秩正四品):逹嚕噶齊1員、知府あるいは府尹1員(勧農鄂囉を領し路と同じ)、同知1員、判官1員、推官1員、知事1員、提控案牘1員。所在は諸路・宣慰司・行省に隷する場合、直隷省部の場合、州県を統べる場合、県を統べない場合など制はそれぞれ差等がある。

諸州

  • 中統五年、州県を併立したが差等が未定。至元三年、江北の州について1万5千戸以上を上州、6千戸以上を中州、6千戸以下を下州とする。江南平定後の二十年、その地は5万戸以上を上州、3万戸以上を中州、3万戸に満たないものを下州とし、県から州に陞したものが44あった。戸数が多くとも路府に附属する州は上州に改めなかった。
  • 上州:逹嚕噶齊・州尹(従四品)、同知(正六品)、判官(正七品)。
  • 中州:逹嚕噶齊・知州(正五品)、同知(従六品)、判官(従七品)。
  • 下州:逹嚕噶齊・知州(従五品)、同知(正七品)、判官(正八品、捕盗の事を兼ねる)。
  • 参佐官:上州は知事・提控案牘各1員、中州は吏目・提控案牘各1員、下州は吏目1員または2員。

諸県

  • 至元三年、江北の諸県を併合。6千戸以上を上県、2千戸以上を中県、2千戸に満たないものを下県とする。二十年、江淮以南は3万戸以上を上県、1万戸以上を中県、1万戸に満たないものを下県とする。
  • 上県(秩従六品):逹嚕噶齊1員、尹1員、丞1員、簿1員、尉1員、典史2員。
  • 中県(秩正七品):丞を置かず、他は上県の制に同じ。
  • 下県(秩従七品):官は中県と同様に置くが、民少なく事簡な地は簿が尉を兼ねる。後には別に尉を置き、尉は捕盗を主り別に印を持つ。典史1員。

その他の地方官司

  • 廵検司(従九品):廵検1員。
  • 諸軍:辺遠の地にのみあり、各々県を統属する。秩は下州と同じで、設官・置吏も同様。
  • 諸蛮夷長官司:西南夷の諸溪洞に各長官司を置き、秩は下州と同じ。逹嚕噶齊・長官・副長官には土人を参用する。
  • 各処托克托和斯:使臣の奸偽を弁じる事を掌る。正1員(従五品)、副1員(正七品)。

勲十階

  • 上柱国(正一品)・柱国(従一品)・上護軍(正二品)・護軍(従二品)・上軽車都尉(正三品)・軽車都尉(従三品)・上騎都尉(正四品)・騎都尉(従四品)・驍騎尉(正五品)・飛騎尉(従五品)。

爵八等

  • 王(正一品)・郡王(従一品)・国公(正二品)・郡公(従二品)・郡侯(正三品)・郡侯(従三品)・郡伯(正四品)・郡伯(従四品)・県子(正五品)・県男(従五品)。
  • 右の勲・爵のうち上柱国・郡王・国公は時に除拝される者があったが、その他は封贈に用いるのみであった。

文散官四十二階

  • 開府儀同三司・儀同三司・特進・崇進・金紫光禄大夫・銀青栄禄大夫(以上いずれも正一品)。
  • 光禄大夫・栄禄大夫(以上従一品)。
  • 資徳大夫・資政大夫・資善大夫(以上正二品)・正奉大夫・通奉大夫・中奉大夫(以上従二品)。
  • 正議大夫・通議大夫・嘉議大夫・太中大夫・中大夫・亜中大夫(以上従三品。もと「少中」といったが延祐年間に亜中と改めた)。
  • 中議大夫・中憲大夫・中順大夫(以上正四品)・朝請大夫・朝散大夫・朝列大夫(以上従四品)。
  • 奉政大夫・奉議大夫(以上正五品)・奉直大夫・奉訓大夫(以上従五品)。
  • 承徳郎・承直郎(以上正六品)・儒林郎・承務郎(以上従六品)。
  • 文林郎・承事郎(以上正七品)・徴事郎・従事郎(以上従七品)。
  • 登仕郎・将仕郎(以上正八品)・登仕佐郎・将仕佐郎(以上従八品)。
  • 右の文散官四十二階は、一品から五品までを宣授、六品から九品までを勅授とする。勅授は中書が牒を発し、宣授は制命による。一品から五品は紫服、六品から七品は緋服、八品から九品は緑服を用い、武官以下もみな同様であった。官は常に品に対応するが、九品にのみ散官がない場合は職のみを挙げる。武官の雑職も同様であった。

武散官三十四階

  • 龍虎衛上将軍・金吾衛上将軍・驃騎衛上将軍(以上正二品)・奉国上将軍・輔国上将軍・鎮国上将軍(以上従二品)。
  • 昭武大将軍・昭勇大将軍・昭毅大将軍(以上正三品)・安遠大将軍・定遠大将軍・懐遠大将軍(以上従三品)。
  • 広威将軍・宣威将軍・明威将軍(以上正四品)・信武将軍・顕武将軍・宣武将軍(以上従四品)。
  • 武節将軍・武徳将軍(以上正五品)・武義将軍・武略将軍(以上従五品)。
  • 承信校尉・昭信校尉(以上正六品)・忠武校尉・忠顕校尉(以上従六品)。
  • 忠略校尉・忠翊校尉(以上正七品)・修武校尉・敦武校尉(以上従七品)。
  • 保義校尉・進義校尉(以上正八品)・保義副尉・進義副尉(以上従八品)。
  • 右の武散官三十四階は、龍虎衛上将軍から進義副尉まで正二品から従八品に至り、その除授は前記に具す。

内侍散官十四階

  • 中散大夫(正二品)・中引大夫(従三品)・中御大夫(正三品)・侍中大夫(従三品)・中衛大夫(正四品)・中涓大夫(従四品)・通侍郎(正五品)・通御郎(従五品)・侍直郎(正六品)・内直郎(従六品)・司謁郎(正七品)・司閽郎(従七品)・司奉郎(正八品)・司引郎(従八品)。
  • 右の内侍品秩十四階は、中散から司引まで正二品から従八品に至り、その除授は前記に具す。

司天散官十四階

  • 欽象大夫(従三品)・明時大夫・頒朔大夫(以上正四品)・保章大夫(従四品)・司玄大夫(正五品)・授時郎(従五品)・霊台郎(正六品)・候儀郎(従六品)・司正郎(正七品)・平秩郎(従七品)・正紀郎・挈壺郎(以上正八品)・司暦郎・司辰郎(以上従八品)。
  • 右の司天品秩十四階は、欽象から司辰まで従三品から従八品に至り、その除授は前記に具す。

太医散官十五階

  • 保宜大夫・保康大夫(以上従三品)・保安大夫・保和大夫(以上正四品)・保順大夫(従四品)・保冲大夫(正五品)・保全郎(従五品)・成安郎(正六品)・保和郎(従六品)・成全郎(正七品)・医正郎(従七品)・医効郎・医候郎(以上正八品)・医痊郎・医愈郎(以上従八品)。
  • 右の太医品秩十五階も、保宜から医愈まで従三品から従八品に至り、その除授は前記に具す。

教坊司散官十五階

  • 雲韶大夫・僊韶大夫(以上従三品)・長寧大夫・徳和大夫(以上正四品)・協律大夫(従四品)・嘉成大夫(正五品)・純和郎(従五品)・調音郎(正六品)・司楽郎(従六品)・協楽郎(正七品)・和楽郎(従七品)・司音郎・司律郎(以上正八品)・和声郎・和節郎(以上従八品)。
  • 右の教坊品秩十五階は、雲韶から和節まで従三品から従八品に至り、その除授は前記に具す。