大唐西域記波剌斯國
- 要旨: 波剌斯国(ペルシア)はインドの境域外だが、道中にあるため付記するとし、その物産・風俗と、西方の拂懍国・西女国についても伝聞を記す。
地理と物産
- 周囲数万里、大都城(蘇剌薩儻那)は周囲四十余里、灌漑農業が盛んで人口が多く裕福とする。
- 金・銀・鍮石・水晶などの鉱物や、錦・毛織物、良馬・ラクダを産し、大型の銀貨を用いるとする。
- 人々は気性が荒く礼義を知らず、文字・言語は他国と異なり、学芸より工芸の技に優れるとする。
- 婚姻の秩序は乱れ、死者の多くは遺棄されるとし、体格は大きく髪を剃り頭を露わにし、皮革や錦の衣を着るとする。
- 天祠が多く提那跋外道(ゾロアスター教)が信奉され、伽藍は二、三か所で僧徒数百人が小乗説一切有部を学ぶとし、釈迦の鉢が王宮にあると伝える。
周辺の国々
- 東境の鶴秣城は人口が多く裕福な都市とする。
- 西北に接する拂懍国(東ローマ帝国)は風俗が似るが多少の違いがあり、珍宝に富み豊かだとする。
- 拂懍国西南の海島には女性のみの西女国があり、拂懍国から男性が定期的に送られ、生まれた男児は育てないという風習があると伝える。