大唐西域記薩他泥濕伐羅國

  • 要旨: 薩他泥濕伐羅国は「福地」と呼ばれる古戦場の伝承を持つ、狡猾な風俗の国と記す。

地理と風俗

  • 周囲七千余里、大都城は周囲二十余里、土地は肥沃だが、風俗は軽薄で人々は奢侈を競い、幻術など異能を尊び農業より商売を好むとする。
  • 伽藍三か所、僧徒七百余人が小乗を学び、天祠百余か所に多くの異教徒がいるとする。

福地の伝承

  • 大城周囲二百里は「福地」と呼ばれるとし、その由来として、かつて二人の王が争って戦を望んだが民が従わなかったため、王が偽って「夢で神より賜った書」を演出し、戦死すればこの地では功徳により天の福楽を得られると民衆を説き、多くの死者を出す激戦となったという伝承を記す。
  • 今も戦死者の遺骨が野に散らばり、この地が「福地」と呼ばれる由来になっているとする。

仏舎利塔と俱昏荼伽藍

  • 城西北の無憂王建立の仏塔は黄赤色の煉瓦で造られ、仏舎利一升を納め光を放つと伝える。
  • 城南の俱昏荼僧伽藍は僧徒の威儀が清らかで整然としていると記す。