大唐西域記序二

  • 要旨: 序文は、玄奘の出自と学問的成長、太宗・高宗による顕彰、勅命による翻訳事業の経緯を述べ、『大唐西域記』編纂の由来を伝える。

玄奘の出自と学問

  • 玄奘(法師、諱は玄奘、俗姓は陳氏)は潁川の名族の出身で、幼くして聡明であり、成長して学問を究めたとする。
  • 兄の長捷法師も仏門の重鎮であり、玄奘は兄について学び、多くの経典に通じるようになったとする。
  • 各地を遊学して見識を深め、「昔の荀氏八龍、今の陳門双驥」と並び称されるほどの評判を得たとする。

西域行の動機と成果

  • 諸家の学説が分かれ紛糾する状況を憂い、原典(梵本)に直接あたって疑義を解こうと志したとする。
  • 困難な旅路を経て天竺に至り、現地の言葉を究め、各地を巡って教理を深く探求したとする。
  • 帰国後、その学識と文章は天竺にも中国にも広く知られるところとなったとする。

皇帝の顕彰と翻訳事業

  • 太宗文皇帝は玄奘を召見して重んじ、自ら『三蔵聖教序』(七百八十言)を撰したとする。
  • 今上(高宗)も皇太子時代に『述聖記』(五百七十九言)を著し、玄奘の功績を称えたとする。
  • 玄奘は勅命により梵本六百五十七部の翻訳に従事し、あわせて見聞した異域の風土・習俗を記して『大唐西域記』全十二巻を編んだとする。